小学生就学率ほぼ100%!ルワンダ教育の現状と課題
あなたは「アフリカの教育」と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?
筆記用具がなくて勉強ができない、何時間も歩いて川や丘を越えて登校する、家の手伝いがあって学校に通えないーー。そんな様子をテレビで目にしたことがあるかもしれません。
では、ルワンダの場合はどうなのでしょうか?現状と課題をざっくりとまとめたのでご覧ください。
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ルワンダの学校ってどんなところ?
ルワンダの教育システムは、日本とおなじく6-3-3-4制です。小学校6年間と中学校3年間が義務教育となっており、公立校であれば学費は無償。日本との違いは、中学と高校が「セカンダリースクール(Secondary School)」としてひとくくりになっているところですね。
2018年のデータでは、全国の学習者が360万人、職員9.5万人、学校数は1.3万校となっています。就学率は4~6歳(幼稚園)で31.8%、7~12歳(小学校)で98.6%、13~18歳(中高)で72.4%、19~23歳(大学)で9.8%となっています。
特筆すべき科目は「One Laptop Per Child(OLPC)」でしょう。「ひとりのこどもに1台のラップトップを」という政策で、もとはアメリカのNPOが始めた取組みです。
「IT立国」を目指してIT教育を推進しているルワンダでは、2007年から導入されています。
ルワンダ教育の課題
高等教育の就学率はまだまだ低いですが、小学校に関してはほぼ100%の子どもが学校に通うことができている状態です。しかし「修了率」では67%となっているので、3割以上の子どもたちが卒業できていないことになります。「学費は無償なのにどうして?」と思ってしまいますが、ペンやノート、制服などの学用品にはお金がかかるのです。そのため収入の低い家庭では、子どもたちが通学を諦めざるを得ないという課題が残っています。
その他の課題としては、教師の待遇および質と人数の向上があげられます。ルワンダの公立小学校で導入されている制度が「ダブルシフト制」です。教室数・教師数に対して生徒数が多すぎるため、午前と午後の二部に分けて授業をしているのです。午前の生徒たちは朝7時過ぎに登校して12時前に下校、午後の生徒たちは12時過ぎに登校して17時に下校します。そのため先生は朝早くから夕方まで授業をしなければなりませんが、ルワンダにおける教師の給料は必ずしも高くありません。それによって教師のモチベーションや質の低下という問題が起こっているのです。
さらには教科書が足りないため先生が黒板に書いたものをただただノートに書き写すための時間があったり、トイレの衛生面やプライバシーが確保されていなかったりと、環境面の課題も多く残っています。
しかし2019年には3000以上の教室増築、約12億円をかけた教室、トイレ、洗面所の建設、世界銀行による教育部門への200億円の投入、教師の給与10%アップといった改善がなされました。今後も教育環境の改善が期待されます。
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