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【レポート】倉敷市人権施策推進協議会オンラインピーススタディツアー【HISコラボ】

アフリカのルワンダでスタディツアーや情報発信をしています、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。

当社アフリカノオトでは、大手旅行会社HISさんと「オンラインピーススタディツアー」というプログラムを開催しています。

今回はその一環で、倉敷市人権施策推進協議会さまからご依頼をいただき、ルワンダ虐殺を題材にオンラインツアーを行いました。

「『人権』と『ルワンダ虐殺』、どういう関係があるのだろう?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

実はルワンダ虐殺は「人権」をないがしろにしてしまったからこそ起きた事件だとも言えるのです。歴史的な背景から、我々が日常に活かせる教訓まで解説させていただきました。

▼概要
・日時:2021年11月19日(金)15:00~17:00

・対象:倉敷市人権施策推進協議会さま
・人数:16名
・テーマ:ルワンダ虐殺と人権

今回の内容は以下の通り。

▼コンテンツ
①ルワンダってどんな国?

②ルワンダ虐殺とはなにか?
③いまを生きるルワンダ人の想い(虐殺生存者へのインタビュー)
④ルワンダの事例から考える平和

本題の「ルワンダ虐殺から考える人権」について。

ルワンダではツチ族とフツ族の民族対立に端を発する「ルワンダ虐殺」が、1994年に発生しました。これによりフツ族からツチ族への迫害、殺害がおこなわれ、約100万人が亡くなったとされています。

民族対立が悪化してしまった背景には様々な要因があったのですが、大きな流れとしては植民地時代の間接統治による宗主国(ドイツ、ベルギー)から少数派ツチ族への優遇、その後1959年ごろから多数派フツ族が勢力を強めて以降「フツ至上主義」によるツチ族への迫害があります。

迫害の過程でツチ族は「ゴキブリ」と呼ばれ、ラジオや雑誌などでヘイトスピーチが盛んにおこなわれました。

要するに植民地化の影響によって分断が生み出され、人権を損なうような差別に発展し、果ては虐殺にまでエスカレートしてしまったのです。

しかしツチ族とフツ族は昔からはっきりと分かれていたわけではありません。もともとツチ族が牧畜系、フツ族が農耕系という、いわばライフスタイルが多少異なる程度の違いしかなかったそうです。お互いの民族同士で結婚することもありました。

ところが植民地化によって「牛を10頭以上もっていればツチ族」という非常に曖昧な基準が設けられ、1932年にはそれに基づいてIDカードが発行、民族区分が決定的になってしまったのです。これによって数十年後に虐殺される側かどうか決まってしまうなんて、とても愚かなことですよね。

ここから我々が学べる教訓は、「違う」というだけで「変」ではない、ということ。確かに昔からツチ族、フツ族という区分は存在していました。しかしそこに優劣がつけられ、分断が大きくなったことで、虐殺という悲劇につながってしまったのです。

我々の日常にも、性別、年齢、出身地、宗教、人種、国籍などさまざまな「違い」が存在しています。でも、その違いをありのままに受入れられず「あいつは自分とは違うから変だ、おかしい」と捉えてしまったら、それが差別や偏見を生み、人権をおびやかすような事態に発展してしまうのだと思います。

「ルワンダ虐殺なんて、遠い国の昔のできごとだから自分には関係ない」と考えがちですが、実は私たちの暮らしにも関連する学びをここから得ることができるのではないでしょうか。ひとりでも多くの方にこのできごとを伝え、身のまわりの人権や分断について考えるきっかけにしてもらいたいと願っています。

オンラインスタディツアーや授業、講演をご希望の方は以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。

HISピーススタディツアー

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