【レポート】「大虐殺を乗り越えた国をめぐり考える、ルワンダ ピーススタディツアー」第5回を開催しました【HIS】
2021年10月16日、HIS旅カレッジさんとオンラインイベント「大虐殺を乗り越えた国をめぐり考える、ルワンダ ピーススタディツアー」の第5回を開催いたしました。
【イベント概要】
・タイトル:「大虐殺を乗り越えた国をめぐり考える、ルワンダ ピーススタディツアー」第5回
・日時:2021年10月16日(土)18:00~20:00
・参加者:18名
今回はいつもよりすこし人数がすくなかったのですが、質疑応答の時間にはたくさんのご質問をいただいて熱量の高いイベントとなりました!
この記事では、当日のイベント内容や参加者の感想をご紹介します。
イベント内容
ルワンダってどんな国?
ルワンダについてほとんどご存知ない方も多いので、まずは「ルワンダがどんな国か」をざっくりと解説しました。
「ルワンダと聞いて何を思い浮かべますか?」「ルワンダと隣接している国はどこでしょう?」といったクイズからスタート。zoomのチャット機能を活用して、双方向でやり取りをおこないました。
それからマウンテンゴリラ、コーヒー、IT、ドローンやジェンダーの取り組みなど、ルワンダで有名なものの紹介。解説者タケダの住む首都キガリの自宅から、「千の丘の国」と呼ばれるルワンダの景色もリアルタイムでご覧いただきました。
ルワンダ虐殺とはなにか?
いよいよ本題のルワンダ虐殺について。
植民地時代に民族対立が激化していった背景から解説しましたが、
・ツチ族とフツ族はもともと対立していたわけではなく、宗主国(ドイツ、ベルギー)によって分断された
・虐殺は1994年に突然起きたわけではなく、1959年ごろからツチ族に対する迫害がずっと続いていた
・現在は平和で民族の区別もなく「ルワンダ人はルワンダ人」という意識が浸透しているが、映画『ホテル・ルワンダ』モデルの逮捕やフランスとの関係性、心身ともに痛みを抱えて生きる人々の存在など、いまだに尾を引く部分も多い
などを特に強調してお伝えしました。
いまを生きるルワンダ人の想い
虐殺生存者の女性に以前おこなったインタビュー動画をご覧頂きました。
目の前で家族を殺され、自身も命の危険にさらされた彼女がどうやって生き延びたのか。内戦終了後に彼女をおそった絶望とはどんなものだったのか。そこからどうやって立ち直ったのか。
当事者の口から聴くことばは力強く、参加者のみなさまも強烈な印象を受けた方が多いように思われます。
ルワンダの事例から考える平和
最後に、このルワンダ虐殺という事例から私たちが学べる教訓はなにか、をお伝えしました。
【ルワンダ虐殺の教訓】
・歴史や事実は立場によって異なる
・違いを受け入れるということ
ルワンダ虐殺については、不明な部分、あいまいな部分も多いのが実情です。「歴史」として語られていることのなかにも、もしかしたら「事実」とは異なることもあるかもしれません。
教科書や報道で語られることを鵜呑みにせず、別の真実が存在する可能性も頭の片隅に置いておくべきなのではないでしょうか。
そして、植民地支配から「ツチ族対フツ族」という「分断」が生まれ、悲劇につながってしまったので、「あいつは自分とは違うから変なんだ、おかしいんだ」と考えるのではなく、違いをそのまま受け入れることが大切だと考えます。
性別、年齢、国籍、人種、宗教など世の中にはさまざまな違いがあり、決して他人ごとではありません。それらをありのままに受け止める姿勢を、ルワンダ虐殺から学ぶことができるのではないでしょうか。
参加者の感想
ルワンダについて解説するうえで、良い点だけ、または悪い点だけ、など偏った伝え方はしたくないので、裏テーマは「光と影」という気持ちで毎回やっております。それがきちんと伝わっていたようで、とてもうれしいです!
イベント最後の質問タイムには、みなさんから怒涛の勢いでご質問をいただけました。こうやって双方向にやり取りして議論を深めていけるのが、本やネットの情報では味わえない、オンラインイベントならではの価値ですね。
次回は2021年12月11日(土)18:00~。ご応募お待ちしております!