「日本人の受け入れ、どう思ってる?」ルワンダ人ホストファミリーの想い
タケダノリヒロ/ アフリカノオト代表( @NoReHero)
スタディツアー「START」第1期で印象に残っていること。
農村部ムシャセクターで、ルワンダ人の家庭に2泊のホームステイを実施しました。
寝食をともにして、村をいっしょに歩いて、観光するだけでは決して知ることのできないルワンダの「暮らし」を肌で感じてもらえたことと思います。
そのなかで、通訳をまじえてホストファミリーとじっくりお話する時間を取りました。
ふだんの生活のなかではなかなか聞けないような疑問を、日本人とルワンダ人、おたがいにぶつけてもらったのです。
ゲストは神からの恵み
そこでツアーの参加者から出たのが、「なぜわたしたちのホームステイをこころよく受け入れてくれたんですか?」という質問。
その背景には、日本ではゲストを受け入れることを嫌ったり面倒に思ったりする人もいるのになんで?、という思いがあったのでしょう。
そんな質問に対して、ホストマザーはこう答えてくれました。
「ゲストは神からの恵みのようなもの。お客さんをおもてなしすることはわたしたちルワンダ人の文化なの。だから『訪問したい』と言われてそれをことわるなんてありえない」
さらに、逆にホストマザーからの質問が続きます。
「どうしてわたしたちの家だけが、ゲストを受け入れるというこんな恵みを受けられるの?」
この質問には驚きと同時に、その何倍ものうれしさを感じました。
ホストファミリーとの出会い
もともとこの家族との出会いは2年前にさかのぼります。
わたしは青年海外協力隊としてこのムシャセクターにはじめて派遣されました。なにから手を付けて良いかもわからず、まずは村の問題を把握するために家庭調査から始めようと思ったのです。
結果的に130件ほどまわりましたが、そのなかでも特にしっかりした家に住んでいて、わたしのことを歓迎してくれて、きちんと話を聞いてくれた、という印象が強かったのが、いまホームステイをお願いしている2件の家庭だったのです。
当初は単なる近所付き合いで、たまに遊びに行ってご飯を食べさせてもらう程度でしたが、あるときブログを通じて「ムシャセクターに遊びに行きたいと思っているのですが、どうせ行くのなら1泊したいです」という依頼をある大学の学生団体からもらいました。
でも、この村にはホテルもゲストハウスもありません。どうしたものかな、と悩んでいたときに思いついたのがホームステイでした。
そこで、家庭調査を通じて仲良くなった2つの家庭にダメもとで「こんど日本人が遊びに来るんだけど泊めてもらえない?」と頼んでみたところ、拍子抜けするくらいあっさりOKされた、というわけです。
じつは不安だったホームステイ
協力隊時代の後半1年間で約20人。そして今回のSTARTで5人が新たにホームステイを経験したことになります。
それだけの人数を泊まらせておきながら、じつはずっと不安だったことがありました。それが「ホストファミリーは、ほんとうに日本人客を受け入れることを良く思ってくれているんだろうか」というもやもやとした気持ちです。
ゲストが泊まる際には、ふつうのホテル代よりはずっと安いものの、現地の人々にとってはなかなかの額に相当するお金をホームステイ代として渡しています。
だから、「お金欲しさに受け入れているけど、ほんとうは日本人がしょっちゅう来ることを疎ましく思っているんじゃないだろうか」という疑いのような思いもあったのです。
そんなわだかまりが、ホストマザーからのことばで一気にとけました。「なぜうちだけがこんな恵みを受けられるの?」と言ってもらえるほどホストファミリーにも喜んでもらえているのだと、ようやく実感できました(うれしすぎて参加者より先に主催者の自分が泣いてしまいました笑)。
このホームステイプログラムは、第1期の参加者たちにとっても特に印象深いコンテンツになったようです。
これからもSTARTのメインコンテンツのひとつとして、たくさんの出会いをつくっていきたいと思います。
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