中東情勢の悪化。アフリカからの帰国フライトが当日キャンセルになったらどうする?

アフリカのルワンダという国で旅行業を営んでいます。
団体のお客様がルワンダを発つ数時間前に中東情勢が悪化。予定していたカタール航空がキャンセルになり、急遽取り直したエチオピア航空でその日の深夜に出国。思いがけず戦争の影響を肌で体感することとなりました。
こんな場合、どのようにフライトを変更して帰国することになるのか、実例をお伝えします。
Contents
出国直前の事態急変
お客様は大阪の大学の先生1名と学生5名の計6名。
2月28日16時20分のカタール航空で、ルワンダの首都キガリを出発する予定でした。14時ごろに空港に到着するべく準備をしていたところ、中東情勢悪化のニュースが。
カタール航空はルワンダ時間お昼の12時前にはドーハ発着便の停止を発表していましたが、お客様のもとにメール連絡等は届いていませんでした。
そこから状況把握と代替案の検討。
- ドーハ経由のフライトは使えない
- カタール航空が別の便への振替えをしてくれるか、どこまで保証がされるかは不明。カタール航空のキガリオフィスに電話をかけても応答はなし
- ルワンダと日本を結ぶもう1つの主要便、エチオピア航空を利用する線が濃厚
- 全員海外旅行保険に入っているため、本件で発生した航空券代などの追加コストは保証対象になり得る
インターネット上の情報だけでは、正確な状況はわからず、一旦全員で空港に向かうことに。キガリ空港へは街中から30分もかからないため、こんな時は直接行くのがもっとも確実です。
道中で皆さんの海外旅行保険で補償される金額の限度を確認。最悪飛行機を取り直したり、ホテルに延泊することになったとしてもカバーできるくらいの金額が得られるという安心感を得て、空港に乗り込みました。
いざ空港へ
14時過ぎ、空港に着いてターミナル入口のスタッフに話を聞くと、やはりドーハ行きのフライトは全滅。エチオピア航空は運行しているため、振替できるかどうかはカウンターのスタッフに聞いてみて、とのこと。

ターミナルビルには渡航者しか入れないため、私は外で待機し、お客様だけでビル内に入っていただくことに。今回のフライトはカタール航空とルワンダ航空のコードシェア便。お客様が話をできたのはルワンダ航空のカウンター職員でした。30分ほど交渉したものの、結局その場では解決せず街中にあるカタール航空のオフィスに行ってくれとのこと。
しかし運悪く、その日は土曜日。 Google マップ情報では、カタール航空オフィスは午前中しか開いていません。それでも緊急事態のため、もしかしたらスタッフがいてくれるかもということで、一旦空港を離れ、再度街中へ。
代替案の模索
本来ここでドライバーとはお別れになるはずでした。しかし、まだまだ車が必要になります。彼に状況を説明して、この後も付き合ってもらうことになりました。彼にはこの後他のお客さんとの仕事があったのですが、そこには別の車を向かわせて私たちを優先してくれました。ここでお客様6名と私とみんなの荷物を乗せられる車を手配しなければならなかったとしたらかなり大変だったため、つきあってもらえて本当にありがたい。。
20分後、16時ごろにカタール航空のオフィスに着きましたが、やはりオフィスには誰もいません。
さらにお客様が航空券を手配した日本の旅行会社にも連絡を取ったものの、こちらも土日は営業していないため、返事が来るのは月曜日以降。
こうなるとカタール航空や日本の旅行会社の対応を待つのではなく、自分たちで新たな代替航空券を買った方が良いと判断。すぐ近くにあるエチオピア航空のオフィスへ。
エチオピア航空でチケット新規購入
幸いこちらは開いており、他のお客さんもいなかったため、すぐに職員と話ができました。対応してくれたのはインド人と思われるセールスマネージャー。迅速に状況を飲み込んで、日本行きのフライトを探してくれました。今日のフライトはもうなし。明日日曜日も満席。月曜日、火曜日と見ていきましたが、6名のチケットが取れるのはなんと最短で4日後の水曜日になるということ……!厳しい。。
いくら保険でお金が補償されるとはいえ、さすがに予定より4日も長く滞在するのはお客様にとって辛すぎます。
絶望しかけたところで提案してもらったのは、シンガポールかバンコク行きのフライト。そこから日本へのフライトは別途自分たちで予約することにはなりますが、アジアまで行ってしまえば、その後は何とかなります。
より条件の良さそうなバンコク行きでは、同日深夜2時のフライトと翌日の午後のフライトが見つかりました。どちらも乗り継ぎ先であるアディスアベバからバンコクへのフライトは同じ便のため、結局バンコク到着時刻は同じになりますが、前者は無料でトランジットホテルに宿泊でき、値段も安いことから深夜2時のフライトを予約することに(エチオピア航空の場合、アディスアベバで乗り継ぎが8時間以上あれば無料でトランジットホテルを利用可能)。
Addis Ababa Stopovers | Ethiopian Airlines JapanEnjoy a smooth and hassle-free transit with Ethiopian Airlinewww.ethiopianairlines.com
しかし、その時点で空席はすでに残り6席。1席でも埋まればアウトという状況だったため、マネージャーさんが搭乗者情報を1人ずつシステムに打ち込んでいくのを固唾を飲んで見守っていました。
そして無事に予約完了。なんとか全員分のチケットを取ることができました!これでバンコクまで行ってもらえる!よかった。。
急いで打ち込んだからか、生徒の名前が1名分間違っていましたが、先生がすぐに気づいてくださり、その場で修正もできました。私自身、名前を間違えられたことがあるのですが、航空券の名前ミスは大問題で、空港カウンターでなんとか交渉して乗せてもらったことがあります。最悪の場合飛行機に乗せてもらえないケースもあるので、本当にスペル1個の間違いもないよう細心の注意が必要です。
待機時間
バンコク行きの予約が取れたのは17時前。そこから深夜2時のフライトに合わせて空港に向かう23時までは、あと6時間あったため、その日まで泊まっていたホテルに戻ろうとしていました。この時点でホテルには空きを確認済み。仮予約もしていました。
しかし、そこで2週間一緒に過ごしたドライバーから「いったんうちで休まないか?」と提案が。すぐホテルに戻った方がゆっくりできるかな、と迷ったものの、みんなの意見を聞いてドライバーの家に行くことに。ありがたいことに夕飯まで用意してくれたのですが、17時過ぎに着いて夕食を出してもらえたのは20時過ぎ……!
3時間もリビングで待たされることになってしまいました。気持ちは本当にありがたいのですが、ルワンダの一般家庭では日本ほど調理環境が整っていないこともあり、ご飯作りにものすごく時間がかかるのです。ご飯は本当に美味しく、みんなでありがたくいただいたのですが、もともと心身ともに疲れていたところに、この待ち時間でさらに疲れてしまいました。
その間にバンコクから大阪行きのフライトチケットを探してオンラインで購入。ようやくこれで大阪まで帰るルートが決定しました。
21時ごろ、ホテルに戻ってひと休み。各自部屋でシャワーを浴びたり、仮眠を取ったり、トランジットホテルでの滞在に向けて手荷物の整理をしたりしてもらいました。宿泊費が保険でおりるように、領収書もきちんと取得。
そこにさっきチケットを取ってくれたエチオピア航空のマネージャーから連絡が。なんと金額が間違っていたため、空港のカウンターで追加で支払いをしてほしいとのこと。しかも現金払いのみで1000usd(15万円)近い金額。なんでだ……!
この緊急事態の支払いは全て大学の法人クレジットカードでおこなっていたため、現金払いはできないと伝えました。すると相手側のミスということもあって、21時すぎにもかかわらず、ホテルまでクレジットカード用の端末を持って支払いを受け取りに来てくれました。助かった。そして謝罪とともに、フライトは満席のため、早めに空港に行った方が良いというアドバイスももらいました。
キガリ空港は出発3時間前になるとターミナルビルに入れるので、2時10分の出発に合わせて23時10分に入れるよう空港へ移動。
お別れのとき
2度目の空港入場はスムーズに行きました。本来だったら余った現地通貨ルワンダフランを US ドルに両替したり、みんなと写真を撮って別れを惜しんだりするのですが、今日ばかりは緊急事態。できる限り確実に先に進むため、簡単な別れの挨拶だけですぐにターミナルに入るみなさんを見送りました。
いつもならお客様の背中を見送ってものすごく寂しくなるのですが、今日ばかりは寂しさよりも心配が勝つ……!とにかく無事に大阪まで帰れますように。
気づきや学び
突然の事態に慌てましたが、お客様には全員無事にルワンダを出国いただくことができました。今回の出来事で得た気づきや学びは以下の通り。
- カタール航空は中東情勢の影響を受けやすい。私がルワンダにいるこの10年で、渡航中止になったのは今回含めて3回くらいあった気がします。
- 海外旅行保険は必須。カタール航空からの保証があるかどうかわからない状態でも、お金の心配をせずに代替案を検討することができました(結局カタール航空から補償があるのかどうかは現時点では分からず)
- 第三者による現地サポートの価値。情報が錯綜する中、最善の選択肢を判断しながら、学生たちを日本まで引率する先生のご負担は相当なものでした。学生たちも思わぬトラブルに巻き込まれ、さぞ不安だったと思います。そんな状況で情報収集、代替フライトや宿と車の手配、保険の内容確認や領収書の確保、新たなトラブルへの対応など、全部自分たちでやらなければいけない状況だったらと想像するとゾッとします。手前味噌ながら、こんな緊急事態だからこそ、私が現地で同行してお手伝いする価値があったと実感しています。
今回はお客様を全員無事にルワンダから見送ることができました。安堵すると同時に、世界で起きている戦争が決して他人事ではないということも実感させられました。一日でも早い事態の収束と、ひとりでも犠牲者が少なくなることを願います。
アフリカノオトのサービス
当社アフリカノオトでは、ルワンダに関する以下のサービスを提供しています。ルワンダにお越しの際はぜひお気軽にご相談ください。
スタディツアーSTART
農村ホームステイや現地在住日本人との交流などを通して、ルワンダの歴史や文化、国際協力、ビジネスを学ぶプログラム
ルワ旅コーデ
日程や行程を自由にお決めいただけるオーダーメイドサービス
企業向けルワンダビジネス支援サービス
お客様のニーズにあわせた4タイプ(レポート型、業務代行型、パートナー型、現地視察型)のサポート
学校向けプログラム
貴校の教育方針やカリキュラムに完全に連動したルワンダ研修プログラム
著書
『アフリカに7年住んで学んだ50のこと: ルワンダの光と影』
7年のルワンダ生活で得た学びを、50の章にまとめました。きっとあなたにも刺さる発見が、50章のなかにあるはずです。
オンライン講座
『はじめての国際協力〜アフリカ・ルワンダを事例とした現状理解〜』(Udemy)
「アフリカの奇跡」と称される経済発展を遂げているルワンダ。そのルワンダを事例にアフリカや国際協力について学ぶ講座です。
https://www.udemy.com/course/africanote/?referralCode=7970B3EA0E02845446CA



