ルワンダ貯蓄組合・マイクロセービングの取組み|ローンの使い道、生活へのインパクト

ルワンダ農村部にて貯蓄組合(マイクロセービング)の取り組みを視察させてもらいました。非常に興味深かったので、その様子を記録しておきます。

視察場所:カモニ郡・ルガリカセクター・キゲセセル・ビカンバヴィレッジ
グループ名:Tuzamurane(We will grow up together)
このグループは月に一度集まって、みんなでお金を出し合って共同貯蓄をしています。ルワンダでは貯金をする文化や風習が根付いていなかったのですが、政府やNGOなどが推進してグループで貯蓄をする習慣が形成されていっています。

このグループが貯蓄を始めたのは2023年。年度初めの10月開始で、9月締め。9月には1年間で貯まった貯金をメンバーで分け合います。
2025年9月の年度締め時にはグループで年間約500万ルワンダ・フラン(約50万円)を貯めることができたそうです。それをグループの人数である27名で割ると、一人当たり約1.8万円となります。
この配当金を利用して、Aさんはブタ、ヤギ、マットレスを買い、Bさんはミトゥウェリ(健康保険料)を払い、Cさんはミシンとブタと、子どもの服を買ったと話してくれました。
グループ内では役割分担も決まっており、Treasurer出納係, Accountant会計役, Auditor監査役がいます。

月に一度の集まりでは、ひとり1,000rwf(約100円)を貯蓄し、100rwf(約10円)は誰かが病気になったときなどの社会活動に使われます。
この日の集会では271,000rwf(約2.7万円)が貯金され、2,700rwf(約270円)が社会活動にまわされました。
貯蓄だけではなく、グループからお金を借りることも可能です。Dさんは前回6000rwf(約600円)を借りて、今回6300rwf(約630円)を返していました。差額の300rwfは利息であり、利率は5%ですね。
Eさんは11,500rwf(約1150円)借りて、12,600rwf(約1260円)返したので、利息分は1100rwf(約110円)となり、利率は9.5%強となっています。借りる金額によって利率が異なります。
もし返済ができなければペナルティがあり、1回目は500rwf(約50円)、2回目は1,000rwf(約100円)と徐々に高くなっていきます。もし1年返せなければ、年度末にみんなでシェアするお金をもらう権利をなくしてしまうとのこと。なかなか厳しいルールです。
無職でお金を得る手段のない人たちを私は多く見てきていたので、「ローンとペナルティがどんどん膨らんで、返せなくなってしまうのでは?」と思ったのですが、メンバーはみな野菜やフルーツの販売などなにかしらお金を稼ぐ手段を持っているから問題ないとのこと。

たとえばFさんはお酒やフルーツを販売する小売店を営んでおり、商品を仕入れるため8,000rwf(約800円)を借りました。比較的規模の大きい商売をしているGさんは、借りたお金で100kgのキャッサバを25,000-30,000rwfほど(約2,500-3,000円)で仕入れて、市場や近所で売っています。利益は1回で15,000rwf(約1,500円) ほど、それを月に3回繰り返してひと月の利益は45,000rwf(約4,500円)となります。
ほかにもサロンでネイルやヘアケアサービスを提供している人、洋裁している人など、いずれも生計を立てる手段をもっており、そのビジネスをまわすための資金をこの組合のローンで調達していることがわかりました。
それ以外には、ニワトリを買って卵を生んでもらい、タンパク質を摂取して家族の栄養改善に取り組んでいる人も。ルワンダでは5歳未満の子どもの3割以上が「発育阻害」(慢性的な栄養失調)となっているので、ニワトリを飼うのは非常に有効な手段です。
以前別の記事で紹介した「イビミナ」は1回ごとに誰かにお金をあげる取り組みなので、着実に積み立てていくこの組合の手法は似て非なるものだそうです。
この組合はローカルNGOのARTCFによって支援されています。いまでは女性たちによって自律的に運営されていますが、最初はARTCFからマネーリテラシーの向上やお金の管理体制構築のトレーニングを受けたとのこと。
ルワンダ国立銀行(BNR)と提携して作成された「貯蓄組合マップ」の2022年データによると、ARTCFは338グループ、8362名のメンバーを支援しています。今回ビカンバヴィレッジのひとつの組合を見学しただけでも、その取り組みが住民に与える効果を十分感じることができたので、それが338グループもあるとなると相当なインパクトですね。
個人的にもっとも驚いたのが、ローンを利用してビジネスをまわし、収入を得てきちんとお金を返しているということ。わたしはこれまで年齢や心身の健康の問題で働けず収入を得られない人たちを見てきていたので、この組合のようにそれぞれ働くことができればローンを健全に利用できるのだと痛感しました。そしてルワンダ農村部の「貧困層」にあたる人々のなかにも、また「働ける/働けない」でレイヤーが大きく二分されることがよく理解できました。今回の学びを当社の取り組みにも生かしてまいります。


