【11月】アフリカ・ルワンダニュース!現地スタディツアー運営者がピックアップ
アフリカのルワンダでスタディツアーや情報発信をしています、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。
2021年11月前半に気になったアフリカやルワンダのニュースを、簡単なコメントとともに紹介します!
詳しくはYouTubeライブ配信でもお話します!11月21日(日)日本時間22時開始予定!
下記リンクから、チャンネル登録とリマインダー設定をしておくと見逃さないのでおすすめです!
テクノロジー
ルワンダ、宇宙への野心
・東京大学のチームと協力してルワンダのエンジニア3名によって建設
・今後3年間で2つの衛星コンステレーション(多数個の人工衛星を協調動作させるシステム)打上げ
・2019年に国内初の衛星RwaSat-1打上げ
・宇宙技術が高品質で持続可能な仕事、新ビジネスや産業にとって重要になると予測
・宇宙産業への投資は、より多くの業界プレーヤー、特に若者を引き付けるための鍵
・教育システムに統合されていないため、若者の意識不足が課題
元記事:Inside Rwanda’s space ambitions | The New Times
ルワンダの宇宙開発には東大が関わっています!新たな産業となるか。
ルワンダワクチン工場建設、2022年半ばに開始
・10月26日、政府はmRNAベースのワクチンの最先端の製造工場建設開始の覚書にBioNTechと署名
・ガサボ地区の経済特区に設置予定
・正確な費用は未開示だが、1億ユーロ以上の価値があり、一部は欧州投資銀行が資金提供予定
・最初は5000万個のワクチンを生産。生産能力は順次向上し、数億回分の生産をサポート予定
・目標はアフリカ連合でワクチンを開発し、アフリカの医療を共同で改善するための持続可能なワクチン生産能力を確立すること
・セネガルと南アでもワクチン製造を計画中
元記事:Construction of vaccine plant in Rwanda to kick off mid-2022 | The New Times
ルワンダでワクチンを製造する取組み、いよいよ本格的に始まりそうです!
ルワンダ、脆弱な人々に14,000台以上のスマホ配布
・ICTイノベーション大臣はコロナの影響で遅れていたコネクトルワンダチャレンジで約14,000台が来月配布予定と確認
・2019年開始の同キャンペーンは買う余裕のない人にスマホ提供
・11月15日に大量配布再開
・これまでに7,670台全国の脆弱な人々に配布。最近では3,000台が女性農家に配布。農業部門における携帯電話の男女格差を埋めるのに役立つ
・女性がルワンダの農業労働力の60%近くを占める
・テクノロジーが誰も置き去りにしないことが不可欠
・情報へのアクセスと共有を強化するためスマホは地方の女性農民にとって極めて重要
・気象情報、市場情報、改良された農法などの情報が農民の指先に届く
・3万台のスマホ配布を約束してきた
・目標は「世帯ごとに1台のスマートフォン」から
元記事:14,000 more smartphones to be distributed to vulnerable people | The New Times
「IT立国」を標榜しているものの、テクノロジーの恩恵を受けているのは一部の層だけ、という状況が気がかりだったので、非常に良いニュース。どれだけ効果が出るのかどうか、気になるところですね。
バンク・オブ・キガリ(BK)、コネクト・ルワンダでスマホ寄付
・1070台をギチュンビ郡の住民に寄付
・キャンペーンは特に農村地域でスマホを購入できないルワンダ人に提供する目的で2019年開始
・キャンペーン開始後、BKグループは2,000台のスマホ購入を保証する2億rwf(約2200万円)を約束
・寄付は(銀行)サービス提供の改善とビジネスチャンスへのアクセスを通じて金融包摂を促進
・受益者はウガンダとの国境で、不正取引、違法なアルコール、麻薬の密輸などの防止に取り組む労働者
元記事:FEATURED: BK donates smartphones in Connect Rwanda initiative | The New Times
ウガンダとの国境地帯で働く労働者にスマホが渡されました。ルワンダとウガンダの関係性は非常に悪く、渡航者がスパイ容疑で逮捕や拷問を受けることも。このスマホはもしや諜報活動にも使われるのでは?などと勘ぐりたくなりますね。
ファーウェイがルワンダの2大学で技術系学生をトレーニング
・協定は10月18日にICT省、ルワンダ大学(UR)、ルワンダ工科大学(RP)との間で署名
・ルワンダの技術産業を後押しし、学生を雇用創出者として位置付けるのに役立つ
・今後3年間で約1000人の才能ある学生の訓練を目指す
・第一段階はオンラインで、第二段階は中国のHuawei本社で学ぶ計画
元記事:Huawei to train tech students in two Rwandan varsities | The New Times
中国は官民一体となってアフリカとの関係強化を進めています。ルワンダの学生たちにとってはまたとない機会ですね。
国際
フランス、ルワンダ、ビジネス関係に好意的
・二国間関係の新章、経済連携とルワンダ市場への投資開始に好意的
・仏の貿易・魅力担当大臣とルワンダの仏企業30社が、ルワンダ貿易産業大臣らを公式訪問
・マクロン大統領の訪問から5か月後の重要な前進
・1994年ルワンダ虐殺でのフランスの役割によって20年以上関係が冷え込んでいた
・マクロン大統領が訪問。虐殺生存者に許しを求め、ルワンダにおける自国の歴史的・政治的責任を認めたことで関係改善が進んでいる
元記事:Rwanda, France optimistic over business ties | The New Times
フランスとの関係が急速に改善してきていますね。
ベルギー、植民地時代に録音された音や歌をルワンダに引き渡す
・ルワンダ文化遺産アカデミーは、ベルギーのプロジェクト「SHARE」から4,000を超える音と歌を受け取った
・これらは王立中央アフリカ博物館に保存されていた
・1950年代から2000年代にかけて植民地時代に録音された音と歌のセット
・ルワンダの音楽は上り調子であり、この取組みは伝統的な音楽の起源へのアイデアを与えミュージシャンを助ける
・歌は世界中のルワンダ市民がアクセスできるようにすべてのソーシャルメディアで共有される
元記事:Belgium hands over sounds and songs recorded during colonial period | The New Times
ルワンダは1994年の虐殺の影響なのか、伝統的な文化があまり継承されていないように感じていたので、これは素晴らしい取組みですね!
ルワンダと国連、飢餓撲滅への誓い
・ルワンダ政府は持続可能な農業の強化や食料安全保障プロジェクトなど飢餓撲滅の革新的な手法を推進
・貧困家庭ごとに1頭の牛、家庭菜園、子供ごとに1杯の牛乳、全国学校給食プログラムなどの拡大
・2018年12月、ルワンダの世帯の81.3%が食料安全保障を満たし、十分で栄養価の高い食料を利用。2006年の65.4%から順調に上昇
・国の世帯の18.7%(約467,000世帯)に食糧不安
・世界では30億人以上(人口のほぼ40%)はまだ健康的な食事をできていない
・食糧生産と消費の方法を変える必要
元記事:FEATURED: Rwandan, UN officials recommit to ending hunger | The New Times
食料安全保障が満たされているルワンダの世帯は81.3%、2006年の65.4%から順調に上昇しています。しかし逆に18.3%はまだ食糧不安があるということ。改善が期待されます。
ルワンダ: リビアからの亡命希望者の救出に関する取り決め2年間延長
・ルワンダ政府、UNHCR、アフリカ連合は、リビアからの難民と亡命希望者を受け入れる協定の2年間延長に合意
・2019年9月に緊急輸送メカニズム(EMT)を設立。主に欧州への渡航失敗した移民受け入れ
・ルワンダは、亡命希望者が第三国移住前の一時的な受け入れや、母国への帰国、ルワンダ市民であり続けることへの要求に対応
・延長協定はブゲセラ地区のEMTが2023年末まで運営を継続し、500人の収容人数を700人に増やすことが必要
・2019年9月以来、ルワンダは、エリトリア、スーダン、南スーダン、ソマリア、エチオピア、ナイジェリア、チャド、カメルーンの8つのアフリカ諸国から合計648人の難民と亡命希望者を受け入れ
・彼らはリビアから6回の飛行で到着したが多数が再定住し、現在キャンプに残っているのは281人
・1,680人を超える懸念者がリビア全土の拘留センター内におり、 人権団体は 施設でのレイプ、拷問、その他の犯罪を指摘
・ルワンダは欧州諸国が移民規制を強化したため、リビアに閉じ込められたアフリカ難民受け入れを約束
・ルワンダでは医療、学校、仕事にアクセスする権利がある
元記事:Deal on rescuing asylum seekers from Libya extended by two years | The New Times
ルワンダの日本大使館の近くにリビア大使館もあるのですが、かなり立派な門構えをしていて初めて見たときは驚きました。このような難民の受入れで深い関係性があるのかもしれません。
中国とルワンダ、二国間関係50周年を祝う
・キガリの中国大使館で行われ、駐ルワンダ中国大使と外務大臣が祝辞を述べた
・ルワンダ語のことわざ「Intobyi y’amaraso irayitera」 (2本の指の運命が共に生きること)を引用。二国間関係はますます強くなっていると述べた
・ルワンダは「アフリカへの架け橋」
・インフラ、鉱業、教育、健康、ICT、運輸、観光、農業、防衛、安全保障などに投資
・中国はルワンダ最大の貿易相手国で、国内最大のプロジェクト請負業者
・ルワンダのアスファルト道路の少なくとも70%は中国企業によって建設
・2020年末時点で両国間の貿易額は3億2,100万ドル
・ルワンダコーヒーは、eWTP(電子貿易プラットフォーム)のおかげで、中国の消費者の間で人気が高まる
・ルワンダは乾燥唐辛子を中国に輸出した最初のアフリカの国になった。今後5年間で5万トンを中国に輸出予定
元記事:Rwanda, China celebrate 50 years of bilateral ties | The New Times
ルワンダと中国が二国間関係50周年。ますます関係性が深まっています。ちなみに日本はもうすぐ60周年です。
スーダン
クーデターの起きたスーダン情勢についても、ルワンダの准国営メディア The New Timesで、Al Jazeeraの記事が連日報道されていました。
スーダン首相が自宅軟禁中、大臣が拘留
・スーダンの軍隊は首相を自宅軟禁し、国の文民指導者の数人を逮捕
・30年にわたり権力を握ったバシール大統領が、反政府デモをきっかけにした軍のクーデターで失脚、軍と民主化勢力による共同統治が行われていた
元記事:Sudanese PM under house arrest, ministers detained: Report | The New Times(Al Jazeera)
スーダンの軍が反クーデター抗議者に発砲、数人殺害
・スーダンの軍が暫定政府から権力を掌握し、数千人が抗議。少なくとも7人死亡、140人負傷
・月曜早朝に暫定首相と他高官が逮捕
・政権掌握のリーダーで、スーダン主権評議会のアルバーハン会長は軍隊が安全を確保する必要があると述べ、全国的に非常事態を宣言
・彼は2023年7月に選挙を行い、その後選出された文民政府に引き渡すことを約束
・米国、英国、ノルウェーの政府は深い懸念を表明、非難
元記事:Sudan’s military fires on anti-coup protesters, killing several | The New Times(Al Jazeera)
スーダン首相釈放、「厳重な警備」の下にとどまる
・クーデター後、追放されたハムドック首相は国軍に拘束された翌日釈放
・釈放はアルバーハン将軍の権力獲得に対する国際的な非難によるもの
・米国やEUは援助を停止すると述べた
・首相と彼の妻は首都ハルツームの自宅で「厳重な警備」を受けており、クーデターの日に逮捕された他の高官は拘留されたまま
・2年前のクーデターで長年の指導者オマル・アル・バシールが失脚して以来、民主化は順調に進んでいたが、軍と文民指導者の間で緊張が高まった数週間後に今回の事件が起こった
元記事:Sudanese PM released, remains under ‘heavy security’ | The New Times(Al Jazeera)
スーダン:世界銀行は軍事的乗っ取り後、援助を停止
・世銀はスーダンの軍隊の文民政府へのクーデター後、援助を停止
・政治指導者は月曜日に逮捕、全国的な抗議と国際的な非難を引き起こした
・アフリカ連合(AU)はスーダンの参加資格停止
・米国は7億ドルの援助を凍結
・世銀とAUの動きはクーデターのリーダー、ブルハン将軍に文民政府復活への圧力をさらにかけた
・将軍は「内戦」を回避するためクーデターが必要であると述べスーダンが民主主義と2023年の選挙に向かって動いていると主張していた
・3月、スーダンは約30年ぶりに世銀から数十億ドルの助成金を得ていた
・長年の統治者オマル・アル・バシールが倒された後、2019年に民間と軍の指導者間の協定が調印された。権力の共有はスーダンを民主主義へと導くように設計されたが、過去のクーデターの試みの数で脆弱であることが証明された
元記事:Sudan: World Bank suspends aid after military takeover | The New Times(Al Jazeera)
スーダン軍トップ、クーデターで拘束された4人の大臣の釈放を命じる
・スーダン軍トップのブルハン氏は、米国務長官と電話。政府の形成を加速する必要性について合意
・米国務省は拘束された全政治家の即時釈放、ハムドク首相の政権復帰、民間主導の統治回復を促した
・米国は経済的レバレッジを利用して民間政府の形成を加速できる
元記事:Sudan’s army chief orders release of 4 ministers detained in coup | The New Times(Al Jazeera)
その他
ルワンダ産業がクリーンエネルギーを採用するには
・ルワンダの大気汚染源は主に建設、製造業から
・エネルギー使用に関連する汚染物質の排出があり、ルワンダの建設業で消費されるエネルギーの73%は炉または重油から
・製造業におけるエネルギー消費の約45%は炉または重油から、3%は木材。どちらも比較的排出量が多い
・これまでに54の業界と中小企業は、毎年30,000トン以上の二酸化炭素と、22,300トン以上の固形廃棄物を削減。4100万メガジュール(MJ)の電力を節約
元記事:What would it take for Rwandan industries to adopt clean energy?| The New Times
サハラ以南のアフリカとルワンダの見通しについて楽観的なIMF
・サハラ以南のアフリカ経済は2021年に回復する予定、2020年の異常な縮小を大幅に上回っている
・ルワンダ経済は2020年に3.4%縮小した後、2021年に5.1%成長すると予測
・貿易価格と商品価格、収穫量、良好な外部環境の改善が農業生産を押し上げたことなどが回復を後押し
・サハラ以南のアフリカの回復は今年3.7%で、世界で最も遅い。先進国市場は5%以上成長、他の新興市場と発展途上国は6%以上成長。コロナワクチン展開の遅れや政策空間の大きな違いを反映
元記事:IMF optimistic on outlook of Sub-Saharan Africa and Rwanda | The New Times
キガリ、廃棄物管理を改善するためにセンサー付きのゴミ箱を配備
・センサーはゴミ箱内の廃棄物レベルに関する通知を収集業者に送信
・ゴミ箱は種類によって色が異なり、緑色は生分解性、青色はプラスチックや紙などリサイクル可能なもの、灰色は電子機器用
・5箇所で実装
・太陽光発電、セキュリティカメラつき
・キガリ市の人口は急速に増加し、今後30年間で2倍に。スマートテクノロジーで廃棄物を効果的に管理、処理する必要がある
元記事:Kigali deploys sensor-fitted bins to improve waste management | The New Times
ルワンダで調理用ガスの価格が上昇
・過去数週間にわたって調理用ガスの価格の上昇が見られる
・木炭と薪の使用を最小限に抑える動きにも混乱
・これは世界的な傾向。価格の予測不可能性で業者にも損失
・先月初め、ガス価格は1kgあたりRwf1,100(約120円)からRwf1250〜1275(約140円)に上昇し、先週までにRwf1,350(約150円)に急騰
・業者「以前は1日最大30本のシリンダーを販売していたが、人々が木炭の使用に戻り、今ではほとんど10本以下に」
・別の業者は1か月以内に顧客の約40%を失ったと推定
・消費者「ガスが手ごろな価格ではなくなったため、木炭を使い始めて3週間経った。現在6kgのガスはRwf9,000(約1000円)だが、私の地域では少なくとも2か月間使用できる木炭1袋はRwf10,000(約1100円)」
・政府はこの問題を国レベルで抑制するため関連機関と協力
・最大の課題は戦略的備蓄の欠如
・ガス貯蔵能力が低く、サプライヤーが少なくとも4日ごとにガスを輸入するようになり、価格が変動し続け、規制当局としての安定が困難に
元記事:Why are prices for cooking gas on the rise in Rwanda?| The New Times