ルワンダにおける女性活躍の状況〜オンラインイベント「ルワンダの女性活躍の現場から考える」より
グロービス経営大学院の公認クラブ「グロービス・ソーシャルビジネス・クラブ東京」と「グロービス アフリカ部」が共同で企画したイベント「ルワンダの女性活躍の現場から考える」に登壇させていただきました。
■テーマ
ルワンダの女性活躍の現場から考える
■内容
日本では「女性活躍推進」という言葉が聞かれますが、アフリカではどうなのか?
東アフリカのルワンダは男女格差ランキング9位、一方で日本は121位となっています。(WEF ジェンダー・ギャップ指数2020)
そんなルワンダ在住のタケダノリヒロさんにルワンダのこと、ルワンダの女性のことをお話していただきます。
2つの国の女性活躍の状況を比較しながら、自分の周りの環境を考えてみませんか。
ポジティブな気持ちを持って、次の日の仕事に行ってもらえる内容をご用意しています!男性も女性との働き方を考えるきっかけになるはず!
■開催日時
2020/10/27(火)20:00~21:30
・竹田さんよりルワンダについてのお話
・紺野さんより日本の女性活躍についてのお話
・パネルディスカッション
・自由質問
・(時間があればネットワーキングの時間を取ります)
ルワンダにおける女性活躍の状況
イベントでお話した内容を、さらっとまとめてお伝えします!
ルワンダは男女平等先進国
ルワンダはジェンダーギャップ指数の上位常連国。最新のランキングでは世界9位にランクインしています(一方日本は121位……)。なぜこれだけ男女平等が進んでいるのかと現地の方に聞いたところ、1994年のルワンダ虐殺によって男性の人口が減少してしまったために女性活躍の推進が活発になったとのことでした。
特に目立つ実績と言えば、国会議員における女性の割合が世界一(61%)という点。ルワンダではクォーター制度を取り入れていて、30%以上を女性とすることが定められています。
参考:「クォータ制」で真の女性活躍は進むか?その功罪を考える(やつづかえり) – 個人 – Yahoo!ニュース
その推進力の源泉は、国民の英雄であり圧倒的な支持を誇るカガメ大統領。
国連の主導する男女平等推進運動「HeForShe」プロジェクトでは、参加推進のリーダー数でルワンダはインドについで世界第2位となっています。
同プロジェクトの「インパクト・チャンピオン」という項目では、左上のいちばん目立つところにカガメ大統領の写真が(右上には安倍元総理のお顔も)。ルワンダはトップダウンの性質が強い国なので、カガメ大統領の男女平等を重んじる方針が政策にも反映していると言えるでしょう。
国連の男女平等促進機関であるUN Womenは、ルワンダ政府とともにさまざまな取組みをおこなっています。特にモバイルプラットフォームを導入した「Buy From Women Project」には、「IT立国」を標榜するルワンダらしさがよく現れていますね。
実際のところ現場の女性たちはどう感じているのでしょうか?以前インタビューに応じてくださった小学校の校長(当時)は、”Rwandan women have confidence for everything.(ルワンダの女性はすべてに自信をもっている)”と力強く答えてくださいました。
ただし、民間の現場ではいまだに男女差が残っていると指摘する記事も。下記はルワンダでもっともメジャーなメディア、The New Timesの記事(2020年10月10日)。
労働力率では男性63.4%に対して女性は47%(100人の男性中63人が労働に参加、100人の女性中47人が労働に参加している)。この数字からもジェンダーギャップを見て取ることができますが、特に差が大きいのが賃金の高い鉱業・採石業、輸送業、エネルギー、建設業など。性差に基づく機会の不平等に対する改善が求められています。
また同メディアでは、モト(バイクタクシー)の運転手として活躍する女性、カレゲヤさんの半生も紹介されていました(2020年8月20日)。
「女性だから」という理由で人生の選択肢が制限されてしまうことなどあってはなりません。モトの運転手だからといって、立派な妻や母にはなれないなんてこともありません。国としては立派な取組みをしているものの、市民の間には根強く偏見が残っていることのわかるエピソードですね。
最後にこのようにまとめました。
女性活躍を実感する人は多く、カガメ大統領のもと政府も力を入れて取り組んでいる。
一方、男尊女卑的な傾向は現存し、女性としての生きづらさを感じる人や不利益を被る人も少なくない。
イベントではこの発表をもとにディスカッションをさせていただきました。
ルワンダの例を参考に日本でも男女平等への理解が進み、自信をもって活躍できる女性がひとりでも増えることを、そして「女性活躍」という言葉自体がなくなりそれが当たり前の世の中になることを祈っています。