アリスの物語を通して知る、ジェンダー平等国ルワンダのリアル3〜夫はほんとに良い人?〜

前回までのあらすじ
ルワンダ人女性アリスは一児の母。当社アフリカノオトのホームステイプログラムで、ホストファミリーを務めている。アリスは紹介されたレストランの仕事を1ヶ月も経たずに辞職。理由はベビーシッターがいなくなったため。ECDセンターの利用を提案したが、開所時間が短くニーズには合わなかった。
※プライバシー保護のため画像はAI生成したもの、人物名は仮名を使っていますが、内容は実話です。
夫はほんとに良い人?
アリスに子どもの預け先や安定した働き口を見つけてあげることはできませんでしたが、当社のホストシスターとしては引き続き働いてもらっていました。
アリスは首都キガリに住んでいますが、ホームステイを実施している彼女の実家は地方のルワマガナ郡ムシャセクターにあります。なので同行してもらうときは、まずドライバーがアリスをピックアップして、その次にわたしとお客様をピックアップして、いっしょにムシャに向かうという順序にしています。
しかしあるとき、ホームステイ先に向かおうとお客様といっしょに待っていたのですが、迎えの車が集合時間になっても来ません。ドライバーから連絡がありました。
「アリスが待ち合わせに遅れたから、そっちに着くのも遅れる。申し訳ない」
その後、車はぶじに到着しましたが、結局お客様を30分ほど待たせることになってしまいました。
前述のとおりアリスの家はベビーシッターがいなくなってしまったため、ホームステイプログラムには2歳の息子も連れてきてもらって、子どもを見ながらお客様のお世話もしてもらっています。
わたしも1歳の娘がいて、おむつ替えやらなにやらが突発的に発生して出かけるのが遅れてしまうというのはよくあることと心得ています。だから、アリスも子どもになにかあったから遅れてしまったんだろうと思っていました。
ところが、アリスから聞かされたのは、思ってもいない理由でした。
「夫が明け方に酔っ払って帰ってきたの。それで朝までずっと大変で……」
酔っ払って帰ってきたことがどう遅刻に結びつくのかよくわかりませんでしたが、プライベートなことですし、お客様の手前詳しく聞くこともできず、遅れるときは事前に連絡するようお願いして、その話はいったん終了。
その後、お客様がいないところであらためてアリスに聞いてみました。
「酔っ払って帰ってきたって言ってたけど、旦那さん大丈夫なの?」
「うん、大丈夫。良い人だよ。たまたま酔っ払っちゃっただけだから」
アリスは大丈夫だと言うものの心配になり、ドライバーにも聞いてみました。すると
「夫とはうまくいってないみたいだよ。夫の親族から『なんであんな女と結婚したんだ』とか言われてるみたいだし」
との情報が。やっぱりそうだったのか……。
第4話へ続く↓
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